企業にとって社労士は本当に必要なのか?社労士のぶっちゃけ話【社労士の意義】

社労士

労務意識の高まりから、社労士需要が高まっている昨今ですが、まだまだ社労士の必要性については疑問視している企業も少なくありません。

社労士から見て、実際に社労士は必要なのかを考えてみました。

社労士5000

社労士は必要?

究極的なことを言ってしまうと、社労士は必要ないかもしれません。

なぜなら、社労士に依頼をする業務は、やろうと思えば自社で行うことができるからです。

これは、社労士に限った話ではありません。

特に企業経営にかかわる部分としては、訴訟などを依頼する弁護士や、税務を任せる税理士、登記を依頼する司法書士や許認可手続き任せる行政書士など、士業に関する業務の多くは、本来、自身で行うことができます。

特定の資格や業務を除いて、これらの士業に依頼をしなければならないといった規定は基本的にはありません。

では、なぜそれでも社労士需要が高まっているのか。

それは、政府の働き方改革や世間の労務意識の高まりなどにより労働関連の法律が厳しくなってきており、より高度で正確な法律への理解や対応が求められるからです。

いよいよ、社内の担当者のみで済ませるのは難しくなってきているのです。

他にも「人事労務部門を外注する」という意識が少しずつ広まりつつある、といったトレンドのようなものもありますが、総じて、より良い事業運営を行いたいと考えるなら、社労士が必要となってくる言えます。

社労士への依頼のメリットは大きい

上記で、究極的に言えば社労士は必要ないと言いましたが、近年または将来においては、企業が社労士に依頼をすりメリットというのは、非常に大きなものと言えます。

それは、社労士が「人に関するプロフェッショナル」であり、人を雇い続ける限り、人事労務のトラブルや対応がなくなることはないからです。

社労士に依頼をする業務の大枠は、「書類の作成・届出」と「コンサルティング」ですが、社労士にこれれを依頼することで、次のようなメリットとを得られます。

(1)労務関連書類の作成・届出のメリット

例えば、日常的に発生しうる労務関連書類の作成・届出としては「入退社の手続き」や「給与変更時や賞与時の年金の届出」などがあります。

社内に労務担当者がいない場合には、本業の傍らに誰かが、場合によっては経営者が自ら行わなければなりません。

決して難しい手続きではありませんが、専門の担当でなければ、それなりに時間もかかります。

ただ、これを処理するために、貴重な人材を割いてまで本業以外の業務をさせるための担当者を置くような業務ではありません。

20人以上くらいの規模の会社であればその価値はあるかもしれませんが、それより少ない人数の会社では、本業に人を割くべきであり、コスト的にもメリットとあるとは言えません。

近年ではITの発達により、デジタルで書面を作成したり届出をしたりできるシステムも増えてきていますが、結局は、それを操るための人出は必要です。

また、役所に届出る書類外にも、就業規則や雇用契約書など、作成をしなければいけない書類はたくさんあります。

これらも、自分たちで作ろうと思えば作れますが、自社にあったもの、最新の法令に適したもの、などと様々な懸案事項を考慮しながら作成をするには、莫大な時間や労力がかかります。

コストをかけずに本業に集中したいのであれば、労務関連書類の作成・届出業務は、社労士に依頼をするべきと言えます。

(2)人事労務コンサルティングのメリット

働き方改革などの推進により、今後も、企業は様々な制度を導入させられることが予想されます。

制度の導入が必要となれば、そのために社内を整備しなければなりません。手続き関連の法律も、頻繁に改正がされます。

また、最近は、労働者の権利意識が高まっていることから、労務トラブルが年々増加しています。

これらに対応し、未然に防ぐといった専門的な事項を内部で完結させることは難しいと言えます。

人に関する事項であることから、法律と労務に関する専門家である外部の社労士に依頼をすることが、最良の選択と言えるでしょう。

社労士の将来性

社労士を含め、士業の業務はAIに置き換わり、近い将来は、必要のない職業になると言われています。

ただ、どんなにテクノロジーが進んでも、そのテクノロジーを使うためには最低限の人間は必要となり、そこには人事・労務の問題は発生します。

必要か否かだけで考えれば、自分たちだけでもできることではありますが、効率よく、コストをかけず、労務問題を解決したいなら、社労士を検討してみるべきではないでしょうか。