自宅での持ち帰り仕事は残業時間になる?残業の法律的規制とは

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社労士5000

長時間労働に対しては、厳しい監視

昨今の働き方改革で、長時間労働に対する風当たりは、強くなっています。

労基署としても、残業や長時間労働に対する監視は強めていて、その是正に力を入れています。

厚生労働省は、一つの労基署だけでは対応できない大規模な事案や、立証が難しい事案に対処するために、東京と大阪の労働局に過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)を設置して、長時間労働など過重労働に対する監督指導や捜査体制を強化しています。

また、従来、労基署の調査も、1ヵ月の残業が100時間を超える企業が、重点監視対象でしたが、現在では、月80時間超とされています。

企業としても、監視対象となってしまう可能性がありますので、十分注意が必要です。そこで、今回は、「残業」について、解説していきます。

残業の法律的規制

労働基準法では、使用者は労働者をI週間に40時間、1日8時間を超えて働かせてはならないと規定されています。

これが法定労働時間と呼ばれるもので、これを超える労働が「残業」(時間外労働)となります。

実際の「労働時間」については、会社と労働者との契約に基づいて行うものです。これを所定労働時間といいます。

所定労働時間は、法定労働時間の範囲内であれば自由に設定することができます。

そして、法定労働時間を超える時間や休日に労働者を働かせることは原則禁止されています。

しかし、あらかじめ使用者と労働者の間で協定を結び、労基署に届け出ればOKとされており、これを36(サプロク)協定といいます。

労働者に、時間外労働や休日労働、深夜労働(午後10時から午前5時の間の労働)を行わせた場合には使用者は割増賃金を支払わなければなりません。

法律には、それぞれの割増率も定められています。

法定残業と法内残業

残業には、法定労働時間を超える法定残業と所定労働時間を超えて法定労働時間を超えない法内残業の2種類があります。

法定残業の場合は割増賃金が発生しますが、法内残業の場合は、割増のない通常の賃金でよいのです。

例えば、月曜日から金曜日の午前9時から午後6時(昼1時間休憩)で働く社員が、上司の指示で、ある週の火曜日から金曜日までの4日間は午後7時まで働いた場合、法定労働時間を超えた4時間分は法定残業となり、割増賃金の対象になります。

しかし、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時(昼1時間休憩)で働く社員が、4日間午後6時まで働いた場合、この4時間は残業ではありますが、法内残業ですので割増賃金の対象にはならないのです。

このように、残業時間の管理についても、会社として適切に対応する必要があります。

自宅での仕事も労働時間になる?

会社での労働時間を減らしたいから、残業禁止にして、自宅で仕事をしてもらった場合に、自宅での仕事も残業時間になるのでしょうか。

結論からいうと、社員が自宅で仕事をした時間も、残業時間です。違法な長時間労働を放置すれば、処罰の対象となるのです。

会社の指示として、残業代を減らすことを目的として、仕事の持ち帰りを指示して残業代を支払わないと、いわゆるサービス残業を強要することになり違法です。

では、社員の判断で、仕事を持ち帰った場合は、どうなのでしょうか。

仕事を自宅に持ち帰って、社員が仕事していることを会社も知っていた場合には、また黙認していた場合には、残業として割増賃金を支払う必要があります。

また、自宅での仕事が長時間にわたっており、常態化している場合には、労基署からの調査で指摘される可能性があります。

会社としては、従業員の労働時間管理、仕事量の管理など、しっかりと行う必要があるのです。