「ブラック企業」と中傷されたらどうする?企業における風評被害の対処法

社労士5000

掲示板などで、ブラック企業と掲載された!

ブラック企業」という言葉も今や当たり前のように耳にするようになりました。

今では一般的に、「過重労働や違法労働などで従業員の人権を踏みにじる企業」の総称として使われていますが、元々は暴力団など反社会的勢力と繋がりを持つ企業のことを指していました。

客観的に見た時に、自社が「ブラック企業」である可能性が高い場合は、改善の必要がありますが、そうであるとは言えないのにそのようなイメージを植え付けられた場合、会社はどうすればよいのでしょうか。

特に、現代では、インターネット上で、誹謗中傷記事が掲載され、それが本当であるかのように、情報が掲載されることがあります。

そこで、今回は、企業が「ブラック企業」などと、中傷された、中傷されるような記事が掲載された場合の対処法について、解説していきます。

「ブラック企業」の定義とは?

「ブラック企業」は、現在のところ厚生労働省による具体的な定義付けはされていません

それゆえに、「ブラック企業」という概念は労働者や第三者が個人的な判断基準で決めているというのが実情であり、とても曖昧なものです。

「ブラック企業」と考えられる会社の特徴

上記でも述べたように、厚生労働省での具体的な定義付けはされていません。

そのため「ブラック企業」か否か判断は、世間の評価により決まると言っても過言ではありません。

従業員が次のような状況下におかれる場合などには、「ブラック企業」であると判断されることが多いようです。

労働時間

  • 過労死ライン(月80時間)を超える残業が常態化している
  • 年間休日が極めて少ない

賃金

  • 労働に見合った給与が出ない
  • 固定残業制(みなし残業)や裁量労働制と謳って、本来払うべき残業代を支払わない

その他

  • 大量採用、大量解雇などで社員を使い捨てにする
  • 精神論で社員を従えている
  • パワハラやセクハラが横行している
  • 過労死や自殺の前例がある

上記はあくまでも一般的な部分に過ぎません。中には、従業員個人の不平不満をネットで発信したことにより、「ブラック認定」されることもあるのです。

自社がネット上で「ブラック企業」と書かれていたら

自社をネットで検索したときに「××株式会社 ブラック」「××株式会社 ハラスメント」といったようなワードが検索候補として上がっていた場合や、ネット上で自社にとってネガティブな書き込みを見つけた場合、対処法はあるのでしょうか?

もちろん、心当たりがある場合はその問題を解決しなければいけませんが、全くのデタラメであれば、専門家に記事やサイト、書込みの削除の依頼をするべきです。

ネット上の「誹謗中傷」を放置したままにすると、採用率の低下、自社の評判が下がることにより取引先からの信用の低下など、多くの損害を被る可能性があります。

なお「削除代行業者」によるネット上の記事削除は非弁行為であり違法との判決が下されました。

つまり、弁護士のみがネット記事の削除が可能であるという内容ですので、依頼の際には注意が必要です。

もし削除代行業者にネット記事の削除を依頼すれば、ただでさえ謂れのない誹謗中傷を受けている上に「あの会社は違法行為をしている」と炎上する可能性があります。

ブラック認定又は風評被害にあった場合には、「ブラック企業」と書かれた内容が事実であれば社労士とともに労務を改善し、全くのデタラメであれば弁護士とともに削除依頼を検討するようにしましょう。

まとめ

「ブラック企業」の定義が曖昧であるがゆえに、些細なことから自社が世間的に「ブラック企業」であると認識されていたというような事例も少なくありません。

それが嘘でも本当でも、会社としてはしっかりとした対策が必要です。