妊娠や出産期の女性社員への待遇が「マタハラ」とならないためには?【2020年10月加筆】

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社員が妊娠した場合おめでたく喜ばしい出来事ですが、会社として社員をどの様に対応をしたらいいのか難しい場面があるかもしれません。

今まで通りでもいのか、それとも何かしらの配慮をした方がいいのか・・・

マタニティー・ハラスメントは、今や大きな社会問題の一つです。では、社内でマタハラが起こってしまわないようにするには、どの様な対処をするべきなのでしょうか。

社労士5000

マタニティー・ハラスメントとは?

マタニティー・ハラスメント(通称マタハラ)とは、妊娠や出産、子育てなどをしている社員に対して、それを理由とした職場内での様々な嫌がらせや降格、雇い止め、解雇などの不当な扱いをすることを指します。

マタハラに対する会社の義務

女性労働者が婚姻・妊娠・出産・産休を取得したことなどを理由に、解雇や降格などの不利益な扱いをすることをマタハラに関する法令で禁止しています。

また、女性労働者を妊娠中や産後1年以内に解雇することは、解雇の理由が「妊娠や産後」以外の理由であると証明しないかぎり無効となります。

さらに、育児に関する法令でも、労働者の育休の申出や育休を取ったことを理由として解雇その他の不利益な取扱を禁止しています。

そして平成29年1月から、以下が義務となりました。

  1. 女性労働者の妊娠、出産、産休などにより就業環境が害されることがないよう適切な体制整備をする
    就業規則等においてマタハラ・パタハラについて懲戒の対象となることを明確にし、これを従業員に周知・啓発すること」が義務付けられています。
  2. 「子の養育又は家族の介護に関する制度利用を理由とするハラスメントを防止するために必要な措置」を講じる
    就業規則等において子の養育又は家族の介護に関する制度利用を理由とするハラスメントについて懲戒の対象となることを明確にし、これを従業員に周知・啓発すること」が義務付けられています。

マタハラになる行為や対応とは

①妊娠を理由とする降格

最高裁判決では「妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる」ことは、業務上の必要性や合理的な降格の理由などがない限り、原則として違法であり無効であるとしています。

②産休、育休を理由とする解雇

産休を取得した有期雇用の女性従業員が育休の取得申請をしたところ、会社がそれを拒否・雇い止めを言い渡した事例では、法定の除外事由がない限り、育児休業申請を拒んではならないものであり、申請の拒否や解雇は違法であるとされています。

③軽易業務への不転換

妊娠した女性従業員による軽易作業への転換申出に対し、配転を行わない場合には、「職場環境を整え、妊婦である従業員の健康に配慮する義務」に違反したものとされます。

マタハラをさせないために企業がやるべきこと

どういった行為がハラスメントに該当するのかを理解出来ていない人が多いと思います。

そのため、どういった行為がマタハラに該当するのか、また、マタハラが発生した場合の厳正な処分を周知を徹底する必要性があり、さらにそのための就業規則等の整備も重要となります。

一方で、対象社員への対応で1番大切なのは、対象社員の意見や希望をよく聞く(ヒアリングをする)ことです。

男性社員の視点で頭を捻って考えても見当違いの対策になりかねません。そのため、本人の同意は必要ですが、妊娠経験のある女性従業員、可能であれば女性の上長や管理職の方が担当として対応ができれば、よりスムーズに進められるでしょう。

会社を守るという観点からも、こまめに面談をするなどの対策を講じていれば、もしトラブルが起きても「何も会社はしてくれなかった」とは言えないはずです。

とは言え、会社本位の対策にならないよう注意が必要です。

マタハラは女性だけのことではない!?

男性が育児に積極的に参加することも増えてきたことで、「パタハラパタニティ・ハラスメント)」も発生するようになってきました。

パタハラの内容もマタハラと同様の為、女性にだけ気を付ければそれでいいということではありません。

社内でマタハラ・パタハラを起こさないためにも、該当者だけでなく社員全員がこの問題について知っておかなければならないのです。