働き方改革の一つとして、リモートワークが推進されています。
そのリモートワークの一つとして、ワーケーションやリゾートワークという働き方があることをご承知でしょうか。
今回は、ワーケーションやリゾートワークといった働き方についてご紹介いたします。
ワーケーションとは
ワーケーションとは、「仕事(work)」と「休暇(vacation)」を組み合わせた造語で、旅行先や帰省先などで仕事をするスタイルの働き方を指して使われます。
本来のオフィスとは離れた場所で業務を行うことから、リモートワークの一種といった位置づけとなります。
アメリカではすでに広まっているスタイルの働き方ですが、日本においても導入する企業が増えつつある働き方の一つです。
リゾートワークとは
リゾートワークとは、リゾート地にサテライトオフィスなどの拠点を設けたり、その土地で運営されているコワーキングスペースなどで、業務を行うことを指します。
リモートワーク先をリゾート地とすることで、心身のリフレッシュに繋がったり、クリエイティブな業務の従業員にはアイディアが湧きやすい環境とすることができるとして、ワーケーションと共に関心が寄せられているワークスタイルの一つです。
大手企業での取り組み事例
大企業においても、これらの働き方は注目されており、実施する企業も増えてきています。
(1)米IT大手、セールスフォースが和歌山県白浜にサテライトオフィス
アメリカのIT企業の大手、セールスフォースドットコムの日本法人は、和歌山県白浜町にサテライトオフィスを開設しています。
サテライトオフィスの従業員は、家族とともに移住した者もいるようですが、3か月ごとの長期出張としてメンバーを入れ替える体制をとっているようです。
ワーケーションとしてはもとより、リゾートワークを実践する従業員もいるようです。
この取り組みにより、従業員同士のコミュニケーションが向上し、あわせて残業が減るなど、様々な成果が出ているようです。
生産性においても、東京の同じ部門の従業員と比べて、20%程向上したという結果も報告しています。
白浜町と言えば、白い砂浜や美しい海が魅力のリゾート地のイメージですが、最寄りの南紀白浜空港とのアクセスが非常によく、羽田空港へも80分ほどです。
白浜町としても、ワーケーションなどとしてのサテライトオフィスの町として全面的に押し出しており、町営オフィスなども設置し、セキュリティーの高いネット環境などとしても打ち出しているようです。
(2)日本航空のワーケーション導入
日本航空では、働き方改革の一環として、ワーケーション制度を導入しました。
月間で最大10日間をワーケーションに充てることができる制度としているようです。
年次有給休暇の取得を促進と併せ、旅行先での業務を公に認める制度とすることにより、心身のリフレッシュはもとより、仕事に対するモチベーションの向上を狙った制度であるようです。
自治体の後押しも
上記のセールスフォースの白浜町の例にもあるように、ワーケーションやリゾートワークなどのリモートワーク導入やサテライトオフィスの開設については、自治体が積極的に後押ししている地域も多くあります。
白浜町のようなオーシャンリゾート地で言うと、沖縄県の宮古島もIT産業の育成を進めようとIT企業の誘致を積極的に行っており、新たな施設の建設なども進めているようです。
内陸で言うと、既に有名なところでは会津若松などがあります。他にも、軽井沢や白馬、安曇野などが、「信州リゾートテレワーク」の推進に取り組んでおり、自治体による整備やサポートなども期待できます。
まとめ
ワーケーションやリゾートワークに取り組むことで、心身のリフレッシュや有給休暇取得の促進、これらによる生産性の向上が期待されます。
また、セールスフォースのように、サテライトオフィスを構え、従業員を分散させれば、地価の高い東京のオフィスを縮小させて経費を削減することができるかもしれません。
ワーケーションやリゾートワークをしやすいIT企業においては、導入を検討してもよいのではないでしょうか。