最低賃金が1,000円台に改定!正社員や月給者でも対応が必要です!

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各都道府県の最低賃金を決める地方最低賃金審議会により、2019年度の最低賃金の改定額が決定し、8月30日に正式に公表がされました。

今回の改定では、東京・神奈川において、全国で初めて時間額が1,000円の大台を突破しました。

この最低賃金の適用は、2019年10月1日から適用されることになります。

そのため、各企業は10月1日から最低賃金以下にならないよう、調整をしなければなりません。

最低賃金と聞くと、アルバイトなどがいない限り関係がないと考えている企業も多くいますが、正社員でも関係してくる部分は多数あります。

最低賃金の改定で、企業はどの様なことに注意をし、対応をしなければいけないでしょうか。

社労士5000

最低賃金の概要

最低賃金とは、最低賃金法により定められた、賃金の最低基準を指します。

賃金の最低額を保証することで、労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定や事業の公正な競争等を確保することを目的としています。

最低賃金額は、時間によって定めるものとされており、いわゆる時給についての最低額を定めるものとなります。

使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金以上の賃金を支払わなければならず、当該労働者と使用者との間で締結される労働契約(雇用契約)において、最低賃金額に達しない賃金を定めた場合、その部分については無効とされ、その無効となった部分は、最低賃金と同様の額の定めをしたものとみなされます。

今回の改正でいくらになったのか【東京都】

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」がありますが、今回の改定は、一般的な最低賃金である地域別最低賃金の改定になります。

東京都においては985円であった最低賃金が、2019年10月1日より1,013円に改定されます。

2019年10月1日以降において、対象労働者の時間当たりの賃金が、改定された最低賃金に満たない場合には、最低賃金以上に引き上げなければなりません。

最低賃金の改定で必要な企業の対応

(1)月給制でも最低賃金チェックは必要

最低賃金は、時給によるものであることから、月給制など場合には関係がないと考えている企業もあるようですが、時給制でなくても、時間単位に換算した賃金額が、最低賃金を下回っている場合には、最低賃金以上に引き上げる必要があります。

日給制の場合には、日給÷1日の所定労働時間。月給制の場合には、月給÷1か月の平均所定労働時間、以上になるようにしなければなりません。

日給者、月給者であっても、必ず確認するようにしましょう。

(2)固定残業制導入を導入している企業

月給者に多く適用されている固定残業制について、基本月額を多く見せるために、「基本月額のうち〇万円を▽時間分の残業代とする」などといった表記をしている企業が多くあります。

残業代にあたる部分は、最低賃金額には含まれないため、残業手当分を抜いたが額により時間当たりの賃金を計算すると、最低賃金を下回ってしまっていることがあるのです。

最低賃金の引き上げにより、改定された最低賃金以上であるかどうかを、必ず確認するようにしましょう。

(3)最低賃金が適用されないものの再確認

最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。

具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

    1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
    2. 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
    3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
    4. 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
    5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
    6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

これらを含めて計算していないかを今一度確認の上、改定された最低賃金を下回っていないかを確認するようにしましょう。

最低賃金違反の罰則

最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。

また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

まとめ

最低賃金違反については差額を支払わなければならないことから、従業員数が多ければ多いほど、違反があった場合の支払額が大きくなってしまいます。

今回の改定のタイミングで、必ずチェックするようにしましょう。