仕事が原因のうつは会社にも責任がある
長時間労働やハラスメント、職場での人間関係などによって精神に不調をきたす人が増えています。場合によっては、自殺につながるケースも見られます。
従業員のメンタルヘルスは、本人や家族と会社にとどまらず、会社全体に良くない影響を及ぼしかねません。未然に防ぐため、ストレスチェックやカウンセリングなどを行うことが考えられます。
法律上、従業員が50人以上の職場は、ストレスチェックが義務化されました。
また、最低年1回全員の実施と、労基署への報告も義務づけられています。
一方、従業員50人未満の企業は、努力義務とされています。
うつになった社員の扱いは、慎重に
部下のメンタルヘルス問題については、慎重に対応する必要があります。
経営陣が誤った対応をとってしまったばかりに、病状を悪化させてしまい、損害賠償請求されてしまったという事例もあります。
休職中の部下に問い合わせた内容がまさにメンタルヘルス不全発症の引き金であったがために、フラッシュバックし病状が悪化してしまう、という可能性も考えられます。
なお、休職辞令を出す際に「病状の定期報告」を求めることができるよう、予め就業規則に規定しておくなどの対策が必要です。
実は管理職が労基署へ相談をしていることも多い
「労基署に申告や相談するのは労働者」というイメージがあります。
全国の労基署などにある「総合労働相談コーナー」で受け付けた100万を超える案件のうち、実は管理監督者である企業の管理職や経営者からの相談が3割を占めています。
つまり管理職も、部下の扱いについて、相談しているのです。
帰らない社員への対策
残業について、ある社員が仕事が好きで、定時後も、毎日残業していました。
この会社では、働いた時間に対してきちんと残業代が支払われており、この社員も働いた時間に応じた残業代を受け取っていました。
会社としては、無駄な残業はカットする方針とその社員の健康面を考慮して、定時で帰るよう促していたのですが、なかなか言うことを聞いてくれない。こういった事案もあります。
そんなときには、労基署に相談して調査に入ってもらい「労基署からイエローカードが出ているから、早く帰って。このままだと社長が送検される」と社員を説得するといいうこと考えられます。
夕方5時からやる気になる社員や残業代狙いの社員がいる職場でも、このように管理職の知恵次第で、労基署の指導などを活用する方法を検討してみてもよいかもしれません。