ITベンチャー企業必見!インターンシップ制度で法律違反にならないための注意点

Pocket

主に学生側からは、希望の就職先の業務内容や雰囲気が学べ、企業側からは、採用前に能力や働きぶりや能力が分かるとして、近年人気を集めているのがインターンシップ制度です。

特に、IT企業やベンチャー企業などでその活用が増えてきています。

双方のミスマッチ雇用を解消するためにも非常に良い制度の一つですが、最近では本来の趣旨から外れたインターンシップ制度を設けている企業が増えてきています。

適切に行わないと、労働問題に発生する可能性もあるインターンシップ制度ですが、その法的な注意事項とはどういったものなのでしょうか。

社労士5000

そもそもインターンシップ制度とは何なのか?

インターンシップ制度には、大きく「無給」か「有給」かに分かれます。

無給のインターンシップの本来的な趣旨としては、学生等に、実習や研修などを通して、自らの専攻や将来のキャリアに関連した就業体験をさせる制度とされています。

あくまでも、実習や研修などの「体験」にすぎないという点がポイントです。

「体験」ではなく「労働」とみなされてしまうと、インターンシップといえども労働関係法令の対象となってくる可能性があります。

一方、有給のインターンシップは、基本的にはアルバイトと同視するものと考えられています。

そのため、当然、最低賃金や残業代など労働関係法令を遵守する必要が出てきます。

名目上はインターンシップとしていても、内容としてはアルバイトと同等なため、通常のアルバイト契約と同じ扱いになります。

無給は違法なのか?

無給であること事体は、違法なことではありません。しかし、上記でも述べたとおり、「体験」が実質的に「労働」や「業務」といえる場合には、インターンシップ生も労働法上の労働者と判断されることもあります。

労働法上の労働者となれば、賃金の支払いやその際の最低賃金各種保険の加入など、労働法上の制約を受けることとなります。

そのため、無給でインターンシップを行いたい場合には、インターンシップが労働(労働者)にならない必要があるのです。

インターンでも労働者と判断されてしまう場合

インターンシップでも主に次のような実情があった場合には、労働者として判断される(労働法が適用される)可能性があります。

  1. 労働をしている(インターンシップ生の作業が企業の利益につながるようなものか)
  2. その労働が、会社の指揮命令下に置かれている
  3. 労働の対価として賃金が支払われている

これらを総合して判断することとなるため、全ての要件が備わっていなくても、労働者として判断されることもありえます。

労働者として扱われないためには

労働者とされないためには、上記の⑴から⑶に該当しないようにする必要があります。

労働「(上記(1))に該当しないためには

⑴の場合、例えば、インターンシップ生に作成させた資料をそのまま会社の資料として使用していた場合などは、企業の利益につながる作業(=労働)と考えられます。

そのため、あくまで業務とは別として、作成等をさせる必要があるでしょう。

会社の指揮命令下(上記(2))に該当しないためには

⑵の場合では、業務指示に対する許諾の自由があるかどうかを見られることもあります。業務の指示・命令に対し、拒否できないような実情であれば、指揮命令下にあったと判断されやすくなります。

また、勤務場所や時間について通常の社員と同等の管理がされていると、労働者としての要素があると判断されることもあります。

指揮命令の有無に関しても、あくまで業務の「体験」が前提となるため、目的の完成や解決、終了などを求める工程がインターンシップのプログラムにある場合には、そのプログラムが労働に当たらない様、社内の運用方法に注意が必要です。

勤務場所や時間については、受け入れる以上管理は必要となることがありますが、通常の労働者と同等であると、労働者性が強いと判断されかねないため、勤務の場所や時間に関しても通常の労働者と同等にならないようするのが望ましいと言えます。

労働の対価(上記(3))に該当しないためには

⑶については、賃金として支払いがある場合には、当然労働者となってしまいますが、「賃金(給与)」という名目でなくても、支払われた金銭が労働の対価として支払われたものであれば、それは「賃金」と言えます。

例えば、インターンシップのプログラムが労働といえるものであれば、それが「御礼」などの名目で支払われていても、賃金とされる可能性があります。

「賃金」となれば、当然最低賃金額を超えている必要があります。名目や支払いの形式の問題ではないことに注意が必要です。

まとめ

上記を遵守し、法的に労働者とはされなかった場合でも、会社はインターンシップ生に対し安全配慮義務を負います。

安全配慮義務に違反があれば、損害賠償責任を負う可能性があります。

労働者性を問われるか否かだけではなく、会社としてのインターンシップ制度そのものについてよく検討をし、受け入れ体制を整えておく必要があるでしょう。