健康保険証の発行にかかる時間は?急ぎの場合の対応と「健康保険被保険者資格所得証明書」とは?

新入社員が入った際、人事労務担当者が最初に行うことは、各種保険の加入手続きです。

この中でも、健康保険に関しては、雇用保険や労災保険、厚生年金と違い、病院等ですぐに必要になることも多く、迅速な対応が必要になります。

入社前から定期的に病院に通っているような新入社員からは、どのくらいでできるのかと、せっつかれることなども多くあります。

健康保険の資格取得は、入社した日から5日以内に届出をしなければならないことになっていますが、実際に保険証が手元に届くまでは一定の時間がかかります。

今回は、健康保険証を可能な限り早く取得するための会社の対応について解説します。

社労士5000

健康保険証の早く取得するための会社の対応

健康保険証の発行は、上記でも記載した通り、ある程度の時間がかかります。

そのため、会社側としては、新入社員に対し、以下の対応をすることが望ましいと言えます。

(1)時間がかかることをあらかじめ伝えておく

ある程度の時間がかかることは、会社側は把握をしていることは多いですが、新入社員側は知らないことが多くあります。

実際に手元に保険証が届くまでは、明確な日数などはありませんが、おおむね「1か月前後」とされています。

会社が届出をした以降、遅くなることについては会社側の責任ではないので、その旨をあらかじめ理解をしておいてもらうよう、前もって説明をするようにしましょう。

近年では、電子申請が主流となってきている健康保険の申請ですが、4月や9月など入退社が多い時期などは、電子申請より、書面で年金事務所に直接届け出るほうが早く対応されるようなこともしばしばあります。

電子申請を行っている会社については、場合によっては急ぎでほしい社員のみ、紙での申請をするといった対応も考えられます。

(2)申請に必要な資料や情報は、早めに揃える

申請書に記載漏れなどの不備があると、当然その分保険証の発行は遅れます。

最近では、マイナンバーの記載が必須になり、その記載漏れによる手続き遅れは多くあるようです。

申請に関する必要情報の収集は、通常、入社してから行うことが多いですが、申請に必要な情報はあらかじめわかっているので、内定を出した段階や入社の承認が取れた段階など、早い段階から情報収集や資料提出を促し、入社したらすぐに申請できるようにしておくことが望ましいと言えます。

特に、被扶養者(配偶者や子供)がいる場合には、必要な情報が増えるので、注意しましょう。

どうしても急ぎの時の対処法

保険証が届くまでに、医療機関に受診したり、受診する予定のため、どうしても早く保険証が欲しいといった場合が多々あります。

特に子供がいる新入社員の場合には、子供が急に体調を崩した場合などにやむを得ず必要となります。

こういったどうしても急ぎで保険証が欲しい場合には、「健康保険被保険者資格取得証明書」という書面の発行により、保険証が届くまでの保険証の代わりとなる書面があります。

この証明書の発行は、通常の健康保険の資格取得の届け出と併せ、原則、年金事務所に直接届出る必要があります。

また、保険証が届いた際には、証明書を年金事務所に返却する必要があります。

直接の届け出や返却など、通常の手続きより手間がかかるため、よく確認してから対応することが望ましいと言えます。

まとめ

健康保険証の発行には、会社側でなんとかできる部分とそうでない部分がどうしてもあります。

急ぎの場合には、これらのような手続きがあることを理解しておく必要があります。